【感想】お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件が最高すぎるラブコメだった

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かんたん評価

オススメ度:★★★★★

  • こんな作品

  • 片や学校一の人気を誇る才色兼備の天使こと真昼。片や平凡な高校生の周。
    隣人ではあるが一切関わりのなかった二人だったが、傘の貸し借りをきっかけに少しずつ二人の関係に変化が訪れる。
    全く意識をしていなかったはずの二人がゆっくりと距離を縮めていく甘くもどかしいラブコメ。


  • ここが面白い

  • ・可愛すぎるヒロイン
    ・甘々で焦れったい展開が最高


  • ここがちょっと気になる

  • ・現実に戻った時に辛い


    以下、極力ネタバレは避けていますが、全く無いわけではないためご注意ください。

    こんな作品

    あらすじ

    藤宮周の住むマンションの隣には、学校で一番の美少女・椎名真昼が住んでいる。特に関わり合いのなかった二人だが、雨の中ずぶ濡れになった彼女に傘を貸したことから、不思議な交流が始まった。
    自堕落な一人暮らしを送る周を見かねて、食事をつくり、部屋を掃除し、なにかと世話を焼く真昼。
    家族の繋がりに飢え、次第に心を開いて甘えるようになる真昼と、彼女からの好意に自信を持ちきれない周。素直でないながらも二人は少しずつ距離を縮めていく……
    「小説家になろう」で絶大な支持を集める、素っ気なくも可愛い隣人との甘く焦れったい恋の物語。


    あまーい!!


    本作を読んだ人は漏れなくそう叫ぶことになるでしょう。

    この作品は周と真昼の間で繰り広げられる友達以上恋人未満な甘くてもどかしくてやっぱり甘々な展開を楽しむ作品です。

    本来なら関わることのなかった男女。
    ひょんなことから関わり合いになるわけですが、それでもしばらくは義務感というか惰性というか、そんな感じで恋愛っぽさはこれっぽちもないわけです。

    そんな二人が徐々に心を開いていく。
    その展開が焦れったくて焦れったくて、でもそれが良いんですよね。


    まさか甘いのが苦手な人がこれを手に取ることは無いと思いますが、胸やけしそうな甘さにやられないように気を付けて下さい。

    ここが面白い

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    ヒロインが可愛すぎる

    この作品の魅力は何と言ってもヒロインが可愛い! 超可愛い!! これに尽きます!!!

    個人的にヒロインが可愛いだけの作品ってのは全く魅力を感じないのですが、この作品はそんな枠に収まるようなものじゃありませんでした。


    本作のヒロインは真昼オンリーでよくあるライバルキャラもいないため、読者の視線は100%真昼へと向かうしかないんですよ。

    これがもし単調な話の連続だとすぐに飽きてしまうと思いますが、少しずつ心を開いて新しい一面を読者に見せていく展開。
    文字で、態度で、物語で、次々と表現される真昼というキャラクター。
    物語全てが真昼の魅力を表していて、読み進めていけばいくほど、真昼というキャラクターに惚れこんでしまいます。


    こんな子と隣人になりたーい!!

    甘くて焦れったい展開が最高

    『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』は例えるなら紅茶に角砂糖を20個くらいぶち込んだような作品です。


    ほんの僅かな渋みと苦みは過度な甘みであっという間に上書きされてしまいます。
    そして赤くて透明な液体の底には、溶けきれなかった大量の砂糖が待ち受けていることが透けて見えてくるでしょう。


    時折感じさせる真昼の家庭の問題。
    けれどもそんなことでシリアスになりません。そんなものは次々とやってくるもどかしくも甘々な展開が上書きしていきます。

    そして徐々に仲良くなっていく二人にはどう考えてもくっつく未来しか見えません。


    ただし、これがなかなか進まない。どう見ても周と真昼はくっつくに決まっているのに、その距離がなかなか縮まらない!

    いや、実際には物語が進むにつれて着実に二人の関係は近づいていっているんですよ?
    でもその進み具合が凄いゆっくりなの!
    凄いじれったいの!

    でもそのじれったさもこの作品の魅力なんですよね。
    思わず「あー、もう!」と足をバタバタさせてしまうような、そんな感覚。


    ラブコメって何よりも過程が重要だと思うんですよね。
    恋愛感情0%同士だった二人が徐々にそのパーセンテージを上昇させていく感じが、「そうそう、こういうのでいいんだよ、こういうので」と言わずにいられません。

    ここがちょっと気になる

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    現実に戻った時に辛い

    いやね? 読んでしばらくは「うおぉぉぉ!」て感じでなんかこっちまで幸せな気分になってくるんですが、その分しばらくして冷静になった時に返ってくる反動も大きいんですよね。

    当然ながら高校生の時にこんな甘々な恋愛なんか経験してないですし?
    そもそも僕もう社会人ですし?


    こんな経験したいと思いつつ、もうこんな経験できないんだと思うと辛い辛い。


    そう言いながら読むんですけど。
    なんならこれから更に2周くらい余裕ですけど。

    終わりに

    最初から好感度MAXなインスタントなヒロインが多い中、こうした0から徐々に関係を築き上げていくタイプのヒロインには久々に出会うことができました。

    中には最初から主人公のことを好きなヒロインが居てもいいんです。
    でも、こうやって関係を築き上げていくってのは、ラブコメの醍醐味だよなぁ。