【感想】『かまわれたがりの春霞さん』ヒロインの恋する乙女っぷりが可愛すぎる

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かんたん評価

オススメ度:★★★★☆

好きな子と付き合うという願いを嘘つき妖精に叶えてもらうために隣の席の子に嘘をついてポイントを稼ごうと思っていたが、彼女は自分のことが好きで…というお話。
ヒロイン・春霞さんの恋する乙女っぷりがめちゃくちゃ可愛い…。そして後半の怒涛の展開には目を見張るものがあります。
ただ、嘘つき主人公を許容できるかという問題点も。

以下、極力ネタバレを避けていますが、全くないわけではないのでご注意ください。

こんな作品

あらすじ

SNSに嘘のつぶやきを載せることが習慣の高校生・誠斗。そんな彼の元に突如現れた嘘つき妖精デビは、嘘をついてUP(ウソポイント)を貯めればどんな願いも叶えてくれるという。
片想い中の少女・大空と付き合いたい彼はUPを貯めるために自分の嘘を簡単に信じてくれる隣の席の少女・春霞に目を付けるが、どうやら彼女は誠斗のことを好きらしい。
想いに答える気がないのに関わるのは悪いと思いつつ、UPのために春霞に嘘をつき続ける誠斗。そんなある日、二人の関係を決定的に変えてしまう出来事が…。

登場人物

・卯曽月 誠斗
本作の主人公。
「嘘には人を楽しませるものもある」が信条で、毎日SNSで嘘松ツイートをするのが日課。
去年の清掃ボランティアで熱中症になってしまったところを介護してもらってから大空に片想いをしており、彼女を恋人にするために嘘つき妖精デビと契約を交わしてしまう。


・春霞 陽
本作のメインヒロイン
おでこと巨乳がコンプレックスで、前髪を伸ばして胸にさらしを巻いて隠していた地味子ちゃん。
誠斗のことが好きで、彼に振り向いてもらうために変わっていった結果巨乳で可愛らしい表紙イラストの真・春霞に。
僕的には巨乳にならずに貧乳のままの方が(個人の感想です)


・大空 真森
陸上部に所属しているスラっとした体形で胸もスラっとしている。
性格は陽気だが下ネタを平気で言う残念系美少女。
彼女と付き合うにはなぜか相場の10倍以上というとんでもないウソポイントが必要なのだが、それには理由があって…。


・嘘つき妖精デビ
突如主人公の元に現れた自称妖精。
褐色肌でアラビア系の衣装を着ている美少女だが誠斗以外には見えない。
嘘をついて得られたウソポイントに応じてどんな願いも叶えてくれる…が、どう見ても怪しい。名前からしてもうあくm

可視化される好感度

恋人にする願いを叶えるにも相手によって必要UPが異なることから、デビによって恋人にするのに必要なUPが表示されるようになる誠斗。
間接的に“好感度”が可視化されるというギャルゲーチックな機能が与えられるわけですが、これが作中でなかなか面白いギミックとなっています。

物語の最中に上がったり下がったりする必要UPですが、果たしてそこにどんな意味があるのか。誠斗と一緒に考えてみてください。


ちなみに初期の大空に必要なUPが100万、関わりの無い女の子が10万、そして春霞はなんと0。おまけで映画研究部部長でナイスガイな美川君もたったの8600(おい!)

ここが魅力!

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春霞さんがとにかく可愛い!

当たり前だけどイラストのことじゃないよ!
いや、イラストも可愛いけどね。

そんなことよりもキャラですよキャラ!
序盤で誠斗に嘘つかれたところで真っ赤になって机に突っ伏して地団駄踏むところとか、誠斗に振り向いてもらえるように色々頑張っちゃうところとか。

更に物語後半で明かされる春霞が誠斗を好きになったきっかけとその後の想いとかもうね。
一度読み終えた後に最初を読み直すと、春霞が誠斗に嘘つかれてるところとかの意味が変わってきてもう春霞がめちゃくちゃ愛おしい。
これ読むんなら絶対二度読むべき!


まぁ春霞のこと好きになるほど誠斗への殺意もマシマシになっていくんですけどね。

誠〇ね!

おっと間違えた。誠斗〇ね!

ここがちょっと気になる

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誠斗を許せるかどうか

本作のテーマでもあるため仕方ないことではあるのですが、主人公の誠斗は嘘をつきまくります。
嘘松ツイートのようなしょうもないものだけならまだしも(これもあまり面白くないですが)、中には春霞の気持ちを裏切るような嘘までも…。
それを見た瞬間の気持ちは「は?」という他なし。人によっては本を投げたくなるかも。

一応誠斗は自分のために他人を利用することを咎める程度の良心を持ち合わせているチキン野郎ですし、デビにしてやられているとか色々仕方ない面はあるのですが…。


本作を楽しめるかどうかには誠斗のキャラを許せるかどうかにかかっているでしょう。

終わりに

第15回MF文庫Jライトノベル新人賞の優秀賞作品の本作。
誠斗のクズっぷりや結末が2巻ありきになってしまっている点などもあり胸を張ってオススメできないのが残念なところではありますが、春霞の可愛さはヤバい。
とって付けたような上っ面だけ可愛いヒロインが多いなか、春霞の恋する乙女っぷりはここ最近のラノベヒロインの中でも群を抜いて可愛いと言っても過言ではないでしょう。

個人的には1巻で〆てもらいたかった本作ですが、2巻がどうなるのかはちょっと楽しみです。