ラノベ読みのオススメする作品を信じてはいけない

タイトルはちょっと大袈裟ですが、このラノ(このライトノベルがすごい!)の協力者や、わざわざTwitterにラノベ垢を作ってしまうような人がオススメしたり絶賛している作品を安易に信じてはいけません。
もう少し正確に言うならば、好みのタイプが近い人でもない限りは信じてはいけません。
これはラノベ垢を作っている上にブログでオススメ書いている僕自身に強烈なブーメランが刺さっていますが、僕の紹介する記事も「こいつの記事は信用ならねーな」と思ったら読むのはやめた方が良いと思っています。時間の無駄です。

なぜラノベ読みを信じてはいけないのか

このブログを始めてからラノベ読みの一人としてこの界隈を覗いていたところ、ここ2~3年でラノベ界隈含めて世の中で大きく変わってきていることがあることに気付きました。

作家と絡める信者ビジネスの大頭

ちょっと前までは下手をすればTwitter自体をやっていない作家までいましたが、最近ではTwitterを使って自ら営業活動に勤しむ作家が増えてきました。

その手の作家で一番有名なのは、先日アニメ化して大不評だった『弱キャラ友崎くん』の著者、屋久ユウキでしょう。
エゴサ作家としてラノベ界隈では有名な彼は、自分に関係のあるツイートを日夜エゴサしてはひたすらイイネ!を付けたり場合によっては絡んでくれることもあります。
こうした活動を否定するつもりはありませんが、問題はこれによって気を良くした読者が更なる反応をもらうためにより活発な行動をしていくということです。
時には一人で複数冊を購入した画像をツイートしたり、時には“友崎くんチャレンジ”なるアレなイベントを開催したりしてしまいます。
こうした地道な活動により一見すると大人気かのように見せることに成功し、売り上げを伸ばして見事アニメ化も果たしましたが、残念ながら実際のところは売れている冊数ほどファンは多くなく、評判も良くないということが露見してしまいました。

僕が知る限りこの手の作家の作品はかなりクセが強いというか、一部の人にしか刺さらない作品が多く、安易に他人にオススメできないものが多いです。
そもそも万人受けする作品なら宣伝に比例して今頃大人気になっているはずです。

厄介なことにオススメ作品を率先して宣伝するような活動的な人ほどこの手の作家のファンだったりします。
Twitterで教えてもらったラノベのオススメを信じて被害に遭った人は多いのではないでしょうか。

ちなみにこの手の作品で次に来るのは『千歳君はラムネ瓶のなか』と予想しています。
これも『弱キャラ友崎くん』と同じガガガ文庫の青春ものでかなり癖が強い作品であり、読み手を選ぶ作品ですので注意が必要です。

初動さえ売れればいい出版社と売れているものを宣伝するインフルエンサーの存在

例えばラノベ紹介系のyoutuberやブログでは、面白かった作品というよりは売れている作品、目立っている作品を紹介する傾向が非常に強くなっています。
なぜなら、単純に知名度が高いほど検索してくれる絶対数が多くなるからです。
彼らは別に趣味100%でやっているわけではなく、言ってしまえばお金稼ぎのためにやっています。
「これを紹介すれば売れる」であろう作品を探し出し、それをいかに面白そうに宣伝するかが彼らの仕事なので、実際に面白いと感じたかどうかは重要ではありません。

そしてこの流れに悪乗りしてしまっているのが出版社です。
上記のような状況ですから、ぶっちゃけ初動さえなんとかなればあとは勝手に売れてくれるんですよ。
インパクトのありそうなテーマの作品にそれらしい売り文句を付けて積極的に宣伝することで初動の売り上げを伸ばそうとします。
中身が伴っていればただの企業努力で流すところですが、問題は中身が伴っていないことです。
最近ですと『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』が当てはまるでしょうか。
電撃文庫という大手の宣伝力とイラストレーターによる知名度によってわずか5か月で発行部数10万部突破というラノベとしてはかなりの快挙を成し遂げました。
その後も怒涛の勢いで売り上げを伸ばしアニメ化まで果たしましたが、その結果本作があんな中身であることが露呈していましました。(一部では作画や脚本のせいにされていますが、間違いなく原作が悪いです)

こうした作品を宣伝してしまうような人のオススメを今後も参考にするかどうかはご自身でお考えください。
(本気で面白いと思ってる人もいるかもしれないのでその判断も自己責任で)

ちなみにこの手の作品で次にアニメ化の可能性がありそうな作品の一つに『友達の妹が俺にだけウザい』という作品があります。
タイトルや宣伝文句からはかけ離れた内容な上に、「この社会で情報は絶対の武器だ」と言いながらクラスメイトの名前も覚えていない主人公など、矛盾っぷりを随所に披露する怪文書の類です。
クソアニメハンターの方は楽しみが増えるかもしれません。

流行に流される人の増加

元々、人は流行に流されやすいものですが、それを踏まえた上でも、ここ最近は流行に流されている人が激増しているように思います。
より正確に言うならば、みんなが面白いと言っている作品 = 自分も面白いと思ってしまう人が多いのかなと。

例えば、前述の『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』のAmazonレビューを見てみると、アニメの方は圧倒的に★1のレビューが多いですが、書籍の方は意外()と評価の高い人が多いです。
この差はどこから来るかというと、身も蓋もないことを言ってしまえば“空気感”です。
平気な人は平気ですが、周りが面白いと言っている作品を自分だけ面白くないと言うのは意外と難しいもので、「自分も面白いと感じた」と思い込んでしまうことがあるようです。(ソースはありません)
評価の高い高級料理店で、よくわからないけど美味しいと思ってしまうものに近いものがあるかもしれません。
書籍の方はこうした空気感が最初に出来上がったために、面白いと勘違いしてしまった人が多発してしまったのではないかなと。

そもそも文章読めていない疑惑

最近のラノベ界隈ではラブコメが流行ってきています。
ラブコメが流行っていること自体は別に問題ではないのですが、流行っている理由が大問題です。
流行りのラブコメについて読んだり感想を探したりしてみたところ、大きな部分を“キャラ萌え”や“シチュエーション萌え”が占めていました。
キャラ萌えをどれだけ重視するかは好みですし、ラブコメにおいて非常に重要な要素の一つなのは間違いありません。
しかし、物語や設定が滅茶苦茶でもキャラさえ可愛ければこれは神作品でございというのは流石にどうかと思います。

前述の『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』もその一つですし、『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』なんかもキャラ萌えに全振りして他がお粗末な典型ですが、結構な人数が絶賛しています。


少し話が逸れますが、何年か前に“アミラーゼ問題”というのが話題になりました。
今の中学生・高校生は文章を「意味を理解して読めない」というテスト結果が出たというもので(何なら大学生も読めないらしい)、たった2~3行の文章すら主語や述語の関係がわからなくなってしまうというものでした。
現在流行っているラノベを見ると、さもありなんという感じです。
本当に文章が読めて入れば、事前にオチをお漏らししているようなとんでも構成の作品に対して「思いがけない展開だった」とは思いません。
文章が読めないタイプの人と小説の面白さについて分かり合うことは不可能なので、オススメをしている人がどういうタイプかを見極める必要があります。

逆にこういう作品を求めているというのであれば僕からはもう何も言うことはありません。
個人的にはこの手の内容は漫画読んだ方が楽しめるんじゃないかなと思ってしまいますが。

終わりに

ぶっちゃけよく知らない人がオススメしている作品を買うくらいなら、本屋に行って積んである作品から何となく気に入った作品を選んでもいいと思います。
本屋に行くのが億劫ならamazonのランキングでも見てみればいいでしょう。
ただし、一見評価が高そうでも、低評価のレビューがトップに来てしまうような作品はかなり警戒が必要です。

信頼できるようなレビュアーを発見できればいいですが、自分の好みと合う人を探すというのはなかなか大変です。