【感想】ファイフステル・サーガは面白い戦記だった(過去形)

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かんたん評価

オススメ度:★★☆☆☆

  • こんな作品

  • かつて倒したと思われていた魔王が、聖女が持つ予知の力で2年後に復活し、人類が滅ぶことがわかった。
    主人公・カレルと聖女・セシリアは、そんな運命を回避するため人類で力を合わせようと奮闘するが…。


  • ここが面白い

  • ・設定は面白そう


  • ここがちょっと気になる

  • ・異常に多い専門用語と独自ルビ
    ・唐突に始まるオチ〇ポ征服劇
    ・一部のキャラが強すぎ


    以下、結構なネタバレが入りますのでご注意ください。

    ファイフステル・サーガはこんな作品

    あらすじ

    「わたしも、あなたを夫として受け入れるわ」これより二年の後、古の魔王再臨し、人類は滅ぶ。絶望の未来を塗り替えるため、“アレンヘムの聖女”セシリアと婚約し、最強の傭兵団“狂嗤の団”の団長となる道を選んだカレル。“アレンヘムの聖女”が持つ『自分の死を夢見る』という悪夢に希望の力を見いだしたカレルは、死の運命を回避する力を持った英雄として五芒国平定のため動き出す。一方その頃、幼くして女王の座を引き継いだ妹のため、暗愚を演じ続けていた王子ヴェッセルも権謀術数に長けた英雄として歴史の表舞台に姿を現す。玉座の頂を目指す英雄たちの叙事詩が今、幕を開ける!


    1巻を読んだ僕:
    専門用語多すぎ意味わかんないルビ多すぎ話が頭に入ってこない!
    あー、でも後半からはちょっと面白くなってきたかも。


    2巻を読んだ僕:
    そうそう、戦記ってこういうのだよね。
    ほんとこういうのでいいんだよ、こういうので。


    3巻を読んだ僕:
    オチ〇ポしゅごいいぃぃぃぃぃ!



    は?


    ちょっと何が起きたのかわかりません。
    3巻で巻き起こる唐突なエ〇ゲ展開に戦慄せよ!

    ファイフテル・サーガのここが面白い

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    設定はなかなか魅力的

    自分と触れながら寝た人は己の死期を夢見ることができるというアレンヘムの聖女。
    その力を使ってトライ&エラーを繰り返すことで完璧な戦果を挙げる。

    単なる未来予知と違って、行動によって次々に変わる未来を睡眠という限られた回数でどうにか切り開くというのはなかなか新しい設定。


    ドワーフやエルフなどいかにもなファンタジーキャラは登場するものの、魔法らしいものが無さそうな本作では、本来なら敵わないような強敵に華麗に打ち勝つための要素としては非常によくできているし、実際に1,2巻では上手く料理できているように思います。
    主人公陣営が毎回ほぼ無傷で完勝してしまうのは流石にやり過ぎではないかと思わなくもないですが、未来予知なんてチート使っているのでそれもアリかなと。


    まぁそれも3巻で全てどうでもよくなるんですけどね。

    ファイフステル・サーガのここがちょっと気になる

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    独自ルビ多すぎ

    設定作りたい人なのか知りませんが、とにもかくにも独特なルビ振りが多すぎて辟易します。

    まず初っ端も初っ端、序章のタイトル『魔王殺し(デモン・スラフター)のエルフ』から始まり、五芒国(ファイフステル・ランデン)や遍歴承認(マルスクラームル)、魔王戦役(グローテ・オールログ)といった具合にオリジナルのルビを振った用語が次から次へと出てきます。
    1ページに1~2語くらいの頻度で新しい用語が現れるため、最初の100ページくらいは何が書いてあったかさっぱり覚えていません。
    そして途中からルビを読むことを止めました。もう魔王殺し(まおうごろし)とかでいいじゃん。


    というかね、魔物(グルエル)とかドワーフ(ドウェルグ)とかそれ読み方変える必要ある? ってものまで出てくるのでほんとキツいです。


    オリジナル要素のない世界観はあまり褒められたものではありませんが、オリジナル用語増やし過ぎてわけわからん世界もダメだと思うんですよね。
    その用語に特別な価値ないし。

    唐突に始まるオチ〇ポ征服劇場


    「今日よりあなたの妻となりこの身を捧げますが、心まで捧げるつもりはありません」

    「抱いて貰うためならなんでもしますわ!」


    お前急にどうしたんだと思うかもしれませんが、これ、3巻で実際にあった内容なんですよね。
    うーん、僕は小説を読んでいると思い込んでいたが実はエ〇ゲーをやっていたのかな?
    ラ〇スかな?


    3巻はこんな感じで灰エルフが人間の領土をどんどん侵略していくのですが、いくら房中術というものがあるからってこれはないでしょう…。
    そもそも単純に灰エルフが強すぎて戦になってないし。


    ギャグを書きたかったのか、はたまた作者がご乱心してしまったのか。
    こんなんやられたら戦略とかもうどうでもよくなるじゃん。

    とりあえず僕が言えるのは「書く媒体間違えてるよ!」という言葉だけです。

    終わりに

    1巻冒頭の怒涛のルビラッシュで一度心を折りながらもそこから巻き返してちゃんと戦記をやっていた本作。
    どういうわけか3巻で戦記要素を完全に放棄してしまう展開には恐れ入りました。
    逆に続きが気になります。


    ところであとがきに書いてあったのですが、なんでも電子書籍がいくら売れても書籍版が売れないと続巻出せないらしいですよ?

    と、電子書籍版を購入した人が言ってみます。