【感想】公女殿下の家庭教師 は主人公キモい選手権でも目指しているのだろうか
かんたん評価
オススメ度:★★☆☆☆
恩師の頼みによって魔法を使えない公女殿下ティナの家庭教師をすることになる青年アレンがあっちこっちで大活躍するお話。
お話自体はどこかで見たようなありきたりな内容でこれといった特徴は無いものの王道ではあるので特別悪いものではないが、節々に挟み込まれる主人公(というか作者?)のロリコン趣味・趣向があまりにも気持ち悪くてキツい。
以下、極力ネタバレを避けていますが、全くないわけではないのでご注意ください。
こんな作品
あらすじ
規格外の魔法技術を持ちながらも王宮魔法士の試験に落第した青年アレンだったが、恩師から公爵家の令嬢であるティナの家庭教師の仕事を紹介される。
なぜか初級魔法すら使えないティナに公爵は王立学校への入学を諦めさせたいと望むが、ティナの入学への強い想いからアレンは魔法を使えるように導くことを決意する。
一向に魔法が上達しないティナだったが、どうも魔法を妨害してしまう秘密がティナの身体にあるようで…。
ここがイチオシ
イラストのクオリティが高い
この作品の唯一と言っていい魅力はイラストでしょう。
絵柄の好き嫌いはあるかもしれませんが、現在刊行しているラノベの中でも非常にクオリティの高いイラストだと思います。
表紙はもちろんのこと、挿絵も十分に満足のいくものになっています。
挿絵のクオリティが高いことが魅力になるのもどうかと思いますが、ラノベは挿絵を別人が描いたんじゃないかというレベルで挿絵のクオリティが低いことが割と頻繁にあるので、これだけでも付加価値になってしまいます。
ここがちょっと気になる
主人公が気持ち悪い
個人的には割と変態な主人公には寛容な方だと思っていたのですが、この作品についてはどうしてもダメでした。
というか、変態というよりも単純に行動が気持ち悪いからというのが大きいでしょうか。
例えば、主人公は初対面だろうが何だろうが所かまわず女の子の頭を撫でようとします。
妹や後輩に対する癖でついつい頭を撫でてしまった。
う~ん、こういう時は…ぽん、と小さな頭に手を置き、微笑みかける。
また、どういう思考回路をしているのかナチュラルに女の子を盗撮しています。
面白い顔。ばれないように映像宝珠へ記録。
なぜでしょう、個人的にはスカートの中を覗こうとしている男子高校生よりもよっぽど気持ち悪く感じてしまいます。
こうしたシーンが稀にある分にはスルーしてしまえばいいのですが、作中の3割くらいは誰かしら女の子とこんなことをやっています。
これをスルーしていると読むものが無くなってしまうのです。
一番恐ろしいのは、主人公自身はこれらの行動をおかしいと思っていない上に、周りからも主人公は紳士で謙虚でカッコいいと思われているところでしょうか。
YES!ロリータNO!タッチを守らずモロにお触りしていることから紳士とは程遠いですし、他の人ができない高度な魔法をこれ見よがしに見せつけながら「僕なんてまだまだですよ」とか言うののどこが謙虚なのか意味不明。
外見についてはよくわかんないけれど、それだけで擁護するにはあまりにも言動が気持ち悪いですね。
ヒロインも気持ち悪い
この作品は典型的なハーレム作品で、名前が用意されている女の子キャラはまぁほぼ全員が主人公のハーレム要員だと思って間違いないです。
で、個人的にはハーレム作品自体は好きではないもののそれほど忌避感無い方だと思っているのですが、この作品はちょっとキツい…。
というのも、ごく一部のヒロインを除いてなぜ主人公にそこまでベタ惚れなのかがさっぱりわからない。
初めて出会ったはずなのに既に好感度が天元突破しており、しかもそんな出会ったばかりの男に「ナデナデシテー」という状態。
こいつらファービーかよ。
更に驚くべきことにこのヒロインたちの主な年齢層は12,3歳である。
3歳児くらいが甘えてくるならわかりますが、思春期真っただ中の女の子たちが開けっ広げに甘えてくる様子は異常であり、その甘えっぷりが皆同じような感じなのでセリフだけでは誰が甘えているのかわからないという個性喪失状態で非常に不気味。
こんなにも人間らしさを放棄されてはヒロインというより、工場で量産された玩具(まさにファービー)ではないでしょうか。
後から主人公より年上のヒロインも出てきますが、年上は年上でなんかやたら主人公を甘やかそうとしてくるのでこれまた気持ち悪いという…。
終わりに
なんというか、童貞が好きそうなヒロインを量産してみましたっていう感じでしょうか。
好きな人は好きな作品のようですが、僕としてはあまりにも登場人物たちの人間性が放棄されていて、面白い面白くないとかではなく不気味な作品でした。